http://www.nih.go.jp/niid/images/iasr/rapid/topics/a1/140708/akan2_140708.gif
A型肝炎はA型肝炎ウィルスが経口感染して発症する。日本もかって患者数が多かったが、上下水道完備など衛生環境の改善とともに患者数は減った。
A型肝炎がどんな病気か?ググればすぐに見つかります。お勧めは国立感染症研究所、横浜市衛生研究所のWebサイトなど。
しかし、今年はいつになく多い。いつになく多いと言えば、大人の麻疹、風疹も多いし、肥満糖尿病も増え続けているし。
A型肝炎に話を戻さねば、
A型肝炎の有効な抗ウィルス治療薬はないが、予防するワクチンはある。
このワクチン予防効果はともて良い。
A型肝炎ワクチン(A型肝炎ワクチンに限らないが)には国産ワクチンと輸入ワクチンがある。
国産がないけど輸入にはあるものが、だんだん減ってきたけど、それでもまだ輸入に頼る物がある。
つい、先日も、海外の髄膜炎菌ワクチンが国内製造承認された、といった塩梅だ。
国産のA型肝炎ワクチンは「エイムゲン」という不活化ワクチンで詳しくはこれ(添付文書)を読んでください。エイムゲンは長年16歳位上の接種が承認されて、15歳以下の接種は認められていなかったが、これも先日、去年だったかな、年齢制限はなくなった。WHOは1歳以上の接種を勧めてる。
エイムゲンの接種スケジュールは4週間隔で2回接種、急ぐ時は2週間隔も可、さらに長期の予防を期待するには3回目の接種が必要。
2回でどのくらい効果が続くのか?
で、いったい3回目をいつ接種したらどのくらい抗体が持続するのか?は、添付文書には記載ないので、よくわからない。一般的に不活化ワクチンは最初に1ヶ月間隔で2~3回接種後6ヶ月以上で追加する。
化血研に問い合わせればいいとは思うけど、どこを探しても見当たらないのはきっとデータがないんじゃないかな。患者さんへの説明のときに困る。ご存知の方、教えてください。
なにしろ、インフォームドコンセント、EBMの時代と言われて久しいが、なかなかデータが探せないし、末端の接種医師に伝わらない。
いっぽう、輸入の、つまり海外のA型肝炎ワクチンはどうか。
たからぎ医院で扱うEpaxalの添付文書を見てみよう。
字が小さくて読めない?それならEpaxalの製造元のWebのこちらをご覧ください。誰でも簡単に知りたい情報にたどり着ける、いい時代です。
要するに
1. 1歳以上に接種する
2. 1回接種後14日目(Webの記載では10日以内に)予防レベルの抗体ができる
3. 2回目(Booster:ブースター)接種で30年間予防効果あり
4. 2回目接種は1回目の6~12ヶ月後をお勧めだけど、成人旅行者の臨床研究によれば4年後でも良好な抗体持続が得られた
そうそう、大事なことを書き忘れた。よく聴かれることだけど、
Q1 国産のエイムゲンを1回受けたけど、2回目をEpaxalで接種した場合の持続効果はどうですか?
A1 これに対する回答は、データがないので、わかりません、です。
Q2 既に海外で1回A型肝炎ワクチンを受けましたが、2回目は同じワクチンでないと効果が無いのですか?
A2 海外のワクチンを使ってる(当たり前だのクラッカー)英国のこの資料(Guidance for the Prevention and Control of Hepatitis A Infection)によれば、次の4つのワクチンは、相互に互換性があります。すなわちHavrix, Vaqta,Avaxim and Epaxalです。
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