2014/06/29

水痘ワクチンをうけてください

水痘ワクチンの効果を日本外来小児科学会有志で調査中です。

ところが、たからぎ医院にはここんとこ水痘患者が見えない。受診患者数が減ってるからかもね。

渋谷区は一昨年度から水痘ワクチン接種費用一部助成制度を開始、そして、この4月からは、なんと全額接種費用助成制度を設けたのです。

というのも、国の水痘ワクチン定期接種制度が、この10月から始まると報道されたので、それなら無料になる10月までワクチン打つの待とう!という人が増えると困ります。そこで、渋谷区は半年前倒しで水痘ワクチン接種費用窓口負担ゼロにしたのです。助かります!ほんらい国がする仕事です。

しかし、一方で、水痘ワクチン接種したのに、うつっちゃった!ということもしばしば見かけます。そこで、実際にどうなのか?知りたいので、日本外来小児科学会では調査を開始しました。

が、うちには患者がこない。医師会ニュースを見ると、裏面にある2週毎の感染症による登園登校許可証発行数を見ると、水痘は冬場にそこそこ流行った。中学校はゼロ。多くは保育園幼稚園、たまに小学校。ちなみに渋谷区ではおたふくかぜワクチン接種費用も助成されるので、接種数が増えてるはずです。実際に、おたふくかぜ患者数は医師会ニュースによれば激減してます。ほんとに最近見ないんです。

話を水痘に戻すと

各保育園、幼稚園、学校の水痘ワクチン接種率が不明だけど、一度に数名~10名くらいでるところもあれば、1~2名で終わるところもある。接種率知りたいです。

接種歴調査がどうして個人情報うんぬんで出来ないのかなぁ?感染症管理権限もある校長や園長あるいは区長にも感染症管理に必要な情報だから調査できないのでしょうか。

これほど麻しん、風しん流行っても、また子どもでは毎年水痘、おたふくかぜが流行っているのに、その予防接種が有効だというのに接種率が不明。

せめてうちに通ってる子ども達はどうかな?そこで、うちのカルテをザクっと100冊くらい取り出して、過去1年間受診歴のある1~12歳の水痘、おたふくかぜ接種履歴と水痘、おたふくかぜ罹患について調べた。

予めお断りしておきますが、過去1年間に受診したが、その後罹患したが、たからぎ医院にこなかった、という場合は発症数に入らないので、以下に書いた数字より多いはずです。

また、ざくっと取り出したカルテの中には、受診されたけど、インフルエンザワクチンだけの10歳とか、湿疹の幼稚園児で母子手帳持ってこない、なんていう例は除外して、98例。除外したのが47例でほとんど1回の受診です。



興味深いのは、水痘ワクチンとMR(麻しん風しん混合)ワクチンやおたふくかぜワクチンとの同時接種の比率が4歳未満で高い。



7,8歳の100%は、それぞれ1名ずつがおたふくかぜワクチンと同時接種したから100%だけど。なんでもこの%に騙されちゃだめね。**支持率上がったとか下がったとかね。あるいは平均収入とか。だって収入1億円の人が1人と300万円の人が9人だと、平均年収は1270万円になっちゃう(笑)。

話がそれた。

いま4歳の子が産まれた頃に水痘ワクチン接種費用一部助成制度が渋谷区で始まり、今年度からは区との契約で窓口負担ゼロの任意接種となりました。また、B型肝炎ワクチンとロタウィルスワクチンについても渋谷区は接種費用を助成してるので、うちではほとんどの赤ちゃんが同時に受けて行きます。そこで、1歳になったらすぐにMRと水痘、おたふくかぜワクチンを受けるのが当たり前のように勧めてます。

それじゃ、これだけせっせと水痘ワクチン接種して水痘に罹らないの?

対象となった子どもの水痘罹患記録を調べて、この1年間の結果。3歳は未接種の1名が1歳で罹患済。5歳は暴露2日後接種して14日目に発症、未接種2名が2,3歳で発症。6歳は未接種1名2歳で発症、1名は1才接種5ヶ月後に発症。9歳は未接種1名2歳、1歳1回接種の2名4,5歳で発症。10歳は未接種1名1歳発症、1歳1回接種児4歳発症。11歳は未接種児3人が1,2,3歳で発症。12歳は未接種2名が2、3歳発症していた。

やっぱり水痘ワクチンを受けてない、あるいは受けても1回では年月がたつと発症する。年長児の場合は、せっかくたからぎ医院で高い金だして、痛い思いをさせたのに罹った!と、もううちに来てないかもしれないからわからないことが多い。

しかし、ここ数年の数字を見ると、中学校ではほとんど見ない水痘、多くは保育園幼稚園で、たまに小学校で見る。1回の水痘ワクチンでは有用性が低いので、日本小児科学会や米国CDCは3ヶ月の間隔で2回接種を勧めている。日本でも平成26年10月から1~2歳の子どもに2回接種を定期接種とする予定だ。流行は小学校未就学児、特に1~3歳に目立つので、幼児期に確実に2回接種をお勧めします。

水痘(水ぼうそう)は、時に命に係る感染症ですが、ワクチンで予防できます。ワクチンを受けることのできない免疫異常、あるいは癌の治療を受けている子どもたちを守るためにも、その子たちが入院している小児病院で水痘患者が発生すると入院患者の命に関わるし、しばらくの間、新規の入院制限をしなければなりません。自分自身のためにも、周りの人のためにもぜひ水痘ワクチンを受けてください。

0 件のコメント:

コメントを投稿