昭和60年代の抗体価問題は風疹だけじゃない。永年日本では生ポリオワクチン(OPV)2回投与(世界標準は3回)でした。国内から病気がなくなると、専門家もそれでよしとします。
ポリオウィルスは3型あるので、3回の投与が必要です。数十年前に、お金がないから2回で流行も収まったし、国産もOPVもできたから、2回で行こう!と決めたのです。つまり、2回でいいというのは「医学」でなくて「国の経済」
で、ポリオが国内で激減したものの、OPVは稀に飲んだ子どもに麻痺を起こします。ワクチンで麻痺が起こるのです。
そこで、海外先進国は率先して、生ワクチンから麻痺を起こさない不活化ワクチン(IPV)に切り替えました。
我が国でももちろん、研究を続けて十数年前に一旦国産IPVできましたが、理由は知りませんが認可されなかったので、その後もOPVを使い続けて、麻痺の子どもがありました。
当時既に海外で実績のあるIPVを買えばいいものを、ワクチンは子どもの麻痺を予防するのが本来の目的なのに、とにかく国産化を目指したのです。
それほど大事にされたOPVですが、昭和50~52年生まれの子どもの1型ポリオ抗体価が低いのです。また、3型抗体保有率は全年齢を通じて低いのです。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/y-graphs/4506-polio-yosoku-serum2013.html
麻しん、風疹だけでなく、ポリオ(麻痺を起こすウィルスの病気)の抗体価も低い人が多いのです。さぁ、どうしますか?
私は昭和23年生まれで、ちょうど小学校高学年の頃に日本でポリオ大流行があった世代です。当時の私はワクチン対象年齢を外れていたので、ワクチン受けずに、麻痺にはならなかったのですが、中高大と進学すると同級生に麻痺の生徒がありました。
2010年に外国製のIPV(Imovax Polio)を輸入して、接種を希望される方に提供しました。私自身も接種しました。
以下がIPV接種後のポリオウィルス中和抗体価(4以上で麻痺予防)
宝樹接種前 P1:8 P2:4 P3:0
IPV1回後 P1:512 P2:1024 P3:0
1回目接種の2ヶ月後2回目接種
IPV2回後 P1:512 P2:512 P2:4
1回目接種の8ヶ月後3回目接種
IPV3回後 P1:256 P2:256 P3:32
昭和50~52年生まれのポリオ抗体価が低いのですが、3回目のOPVを追加
した研究があります。それによると、1回追加することで、良い結果を得てます。
http://www.evernote.com/l/AAkRU5Sp1A1IJpzATi9k2o8ux62Usxv18Ic/
また、「我が国のポリオとポリオワクチン 杉下知子 小児科診療1993(91)2109-2114」によりますと、国産生ポリオワクチンLot.13と14を飲んだ子どものP1抗体保有率は50%と低く、世界の標準が3回接種であることにも触れて、3回目の投与が必要と、20年以上前の論文です。
これだけ効果の悪いワクチンを承認して、そのまま放置ってイカンです。
国は感染症流行予測調査を行なって、国民の抗体保有状況を把握してます。国としての対策は空高く上から見下ろして、まぁ、だいたい旨く行ってるな、で、終わりです。
でも、昭和50-52年生まれの貴方はポリオに感染すると麻痺のリスクがあります。いまなら、麻痺を起こさない注射のIPV(宝樹が接種したものと中身は同じ)が2012年8月から国内認可発売されてます。ワクチンを取り扱う医療機関で相談すれば接種できるでしょう。
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